2014/11/30

ウィーン旅行記⑦マルガリータ王女に会いに

 

ウィーン美術史美術館はベラスケス作・彼女の肖像画を
3枚所蔵してるのだとか。
 
 
昨年ウィーンで、その場所に居たのに会えなかった人がいます。
 
会えなかった人、と書くと大袈裟ですが
ベラスケスの絵で有名な「マルガリータ王女」です。
 
カプツィーナ教会というハプスブルク歴代の人々の納骨堂。
 
巨大なマリア・テレジアの棺や
エリーザベト皇女が実際に眠っている棺を目の前に圧倒され
彼女もここに眠っていることを忘れてしまいました。
 
帰国してから私が歩いたどこかに
彼女のイニシャルである「M」のついた棺があることを
知りました。
 
学生時代、この愛くるしい「お姫様」の実際の人生を知り
衝撃を受けました。
それ以来、とびきり可愛いドレス姿が痛々しくも思え、
どの絵も無表情な幼い彼女の目が悲しそうに思えたり。
(これはベラスケスの人物画の表現のこだわりなのでしょうが)
 
政略結婚によって栄えた
ハプスブルク帝国の歴史本など読むようになりました。
 
そんなわけでマルガリータ王女の棺を探しに
朝、教会へ再び。
 
もう二度目なので怖がらず淡々と歩けました。
相変わらず、圧倒されるマリア・テレジアご夫妻の棺。
 

 
館内は一部が工事中でした。
 
この教会の地下に並ぶ棺の中は実際
ワックスに漬けられた状態で本当に歴代の皇帝や皇女が
眠っているそうです。
(この方法は100年以上前に廃止になったそうです)
 
そんな空間で作業服を着た
おじさん達がガンガン工事をして床はコンクリートの
破片で白くなって散らかり放題。
近くの棺はただのビニールで覆っていました。
もっといい方法や配慮はないのかな?
 
・・・・。
 
マルガリータの棺は
なかなか見つけることができませんでした。
 
何度も行ったり来たりし
「M」を頭に入れて探しました。
それぞれの棺の前には名前などの
プレートがあるのですが
みんな「似たような名前」ですし・・・。
 
それは入り口側にひっそりとありました。
「M」を見つけました。
 
注意して探さないと見つけづらいかも。


 
やはり小さめな棺。
どんな人がデザインしたのかは不明ですが
「M」の文字にとても彼女に対する愛情が感じられました。
いつまでも、愛されるマルガリータ・・・
と込められているような。
 
この中に彼女が眠っていると思うと
胸が熱くなりました。
 
彼女に会えてよかった。
 
※ 幸運な事に滞在時
美術史博物館の特別展がなんと
「ベラスケス展」!!
 
マルガリータ王女の絵を
一度に「5作品」見れました!
ずらり5枚も並んでる圧巻の眺めでした。
こんな事って一生涯あるかないかの幸運かも。
 
(その時の様子はまたのちほど)
 

2014/11/27

ウィーン旅行記⑥1年ぶりのカヴァコス!

 
 
いよいよ今夜からカヴァコスのコンサートが始まります。
 
ちょうど1年前もウィーンで彼のブラームス協奏曲など2曲を聴きました。
 
彼の18番、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を3夜連続で聴けるなんて
ファンとしては見逃す事には行きません。
しかも大好きになってしまった街、ウィーンであるなんて!
 
 
楽友協会について、重い扉を開けると蘇る昨年の感動。
 
 
つい先日のようです。
クロークのおばさん達も去年と同じ。
思わずお元気ですか?と声をかけたくなりそう。
優しい笑顔のお礼と挨拶代わりに
ちょっとチップをはずんでコートを預けました。
 


 
楽友協会でのお気に入りの席は
1階席の正面ではなく、両端のバルコニー1列目。
音としては端だし、体もステージと向かい合ってませんが
なにせ眺めがいいし、豪華な空間や客席の人達の顔もよく見える
席の居心地が好き。楽友協会に浸れるんです。
 
このホールはステージや演奏家の出入り口が
客席と密着しています。
演奏家にとって聴衆が近すぎるのって
プレッシャーとか集中力の邪魔とかにならないのでしょうかね。
 
オーケストラはウィーン交響楽団。
指揮者は若手のダービッド・アフカムさん。
日本ではカタカナでどう表記してるのか知りません。
デヴィド・アーカム、アーハム?
David Afkham
お兄さんはベルリン・フィルのビオラ奏者で音楽一家育ちです。
若くて長身のhandsome。
(あえて、イケメンと書かず)
 
2年前に初めてベルリンに行き
初めてカヴァコスの生演奏を聴いた夜、
演奏後に一緒に写真を撮ってくれるというので
楽屋のロビーに恐る恐る行きました。
(昼間ガイドツアーの集合場所がわからず
駐車場で迷ってたときに助けてくれたのがカヴァコスでした。
そして教えてくれた本人も方向音痴でした)
 
行くとたくさんの若者たちに囲まれて
みんな行列でした。その中には若手のベルリン・フィルの
メンバーも数人いてとても慕われてるようでした。
その中にひときわ可愛い顔をしたおとなしそうな男の子が
このDavidさんです。
 
数年後に憧れのカヴァコスの指揮を自分が務めるなんて
とても嬉しかったのではないでしょうか。
今年の4月にもブラームスで共演しており
相性がいいのかもしれませんね。
 
初日の夜は聴く自分がとても緊張しました(笑)
演奏云々のうんちくは苦手なので書きませんが
力強い演奏に感じました。
 
いつもなら目を閉じて聴くと
極寒の白い静かな、冷たい美しい世界が
広がる曲のですが少し人間くさい血の通った
世界を感じました。
 
あたたかく感じたシベリウスでした。
 
演奏してるカヴァコスの身体にずっしりと根をはって
そのままステージにくっついてるような
そんな骨太さといいますか。
黄金のホールの女神達も喜んでいるようでした。
 
 
昨日ウィーンについてからの楽しさで
頭がゴチャゴチャになっていたのが
いつのまにか無になっていました。
この「無」のまま、今夜は寝たいと思いました。
 
演奏直後だったからか湯たんぽみたいに
あったかいカヴァコスさんでした。
心も笑顔もあったかい。
 
その後のアフカムさん指揮のチャイコフスキー第5番も
素晴らしい演奏でした。
どの楽章もお馴染みのメロディー。
チャイコフスキーの曲はどれも切なくなる美しさですね。
奥には彼のヴァイオリンを覗き込んでる人々♪
 
またもや幸せ胸いっぱいで
ホテルに戻りました。
 
「あったかいシベリウス」
そう感じたのが不思議な夜でした。

2014/11/20

ウィーン旅行記⑤プラフッタ


 
 
 
旅行の楽しみの一つ、もちろんお食事。
 
今回、ぜひ行きたかったレストランで待ち合わせ。
 
日本からぜひここに行きたいとリクエストしたお店が
オーストリアの名物料理のひとつ
ターフェルシュピッツの名店、「プラフッタ」。
 
ガイドブックには必ず紹介されているお店。
 
ターフェルシュピッツというのは
簡単にいえば、茹でた牛肉と野菜にいろいろな
ソースをつけて楽しむ料理。
 
地域やお店によってそれぞれのこだわりがあり、
コンソメのスープやソースなどいろいろ。
 
昨年はホテル・ザッハーのカフェでいただきました。
お皿にお肉と野菜もまとまって
2種類のソースをつけていただく上品は盛り付け。
味もあっさりしていて美味しかった。
こちらは昨年のザッハーのターフェルシュピッツ。
はじめからお皿にキレイに盛り付けてあります。
 
そしてここ、プラフッタの自慢がボリュームの
ターフェルシュピッツ。
 
豪快!!
 
銅製のお鍋にお肉と野菜、そして牛のシッポの輪切りが。
(このシッポの中には
美味しいコラーゲンが詰まっていて
パンに塗って食べるのだとか。
私はなぜか遠慮しちゃいました)
 
ちゃんと盛り付けてくれます。
 
最初に味のしみたスープ。
次にお肉と野菜をソースにつけて。
 
これで半人前。(奥にもシェアした友達の一皿が)
 
2人で食べてもお腹一杯。
この写真、実は一人前!
 
 
広い店内には人がたくさん。
お隣のテーブルにはアメリカから旅行に来たという
素敵なご夫妻。
違うメニューを食べていましたが私達の
名物料理の写真を撮らせて、と言ってました。
 
さらに奥の席には
ウィーンで知らない人はいないという
人気キャスターが。
まだ30代くらいの若いさわやかなイケメン。
ウィーン在住の友達は彼がテーブルを離れて
こちらに来たときお願いして一緒に写真を撮ってもらいました。
 
あ~私も記念に撮ってもらえばよかった♪
 
あ~美味しかった♪
 
 
 
 

2014/11/19

ウィーン旅行記④シュテファン寺院地下

 



 
ウィーンの朝。
 
ホテルの近くからはシュテファン寺院の鐘の音。
 
今日はお昼の待ち合わせの前に
参加したかったツアーへ。
 
それはシュテファン寺院の地下にある「カタコンベ」(地下墓地)を
見学すること。


ここが入り口。
 
待ち合わせの10時に教会の中の一角にある場所へ。
いろいろな言葉が飛び交う人達30人くらい集まっていました。
 
恰幅のいい、男性のガイドさんが
ドイツ語と英語で案内をしてくれます。
 
背が小さい私はガイドさんのすぐ後ろについて
いきました。
 
地下に入る階段を下りると
ひんやりとした空間になります。
(もちろん撮影禁止)
 
シュテファン寺院の大司教が眠っている場所や
ハプスブルグ家の人々の内臓が保管されている棚などを
見学しました。
 
不気味とかそんなことはありません。
(ガイドさんも淡々と明るく明確に解説してくれるのがよい)
観光客で賑わう名所の地下は
こんな世界があるのだと驚きました。
 
その先細い道をすすむと地下墓地だったために
棺や骨、そしてさらに
ペストで亡くなった方の骨が並べられていました。
(小さな窓のようになっており、覗いて見れるようになっています)
 
そこを通って階段をのぼり地上に出ると
シュテファン寺院の裏に出ます。

 

これでツアーは終わり。
お一人5ユーロをガイドさんに渡します。

日本語の案内書ももらえます。
 
この裏口にひっそりとあるのが
なんとモーツァルトの葬儀がここで行われたという銘版。


 
特別な葬儀ではなく一般の人と同じ扱いの葬儀だったとか。
(その後、モーツアルトの遺骨などはどこにあるのかも
不明のまま)
 
正直、ツアーより印象に残ったのが
このモーツアルトです。
 
一礼をしてシュテファン寺院を後にしました。




マッチャがウィーンでも人気のよう♪
 
外に再び出ると、明るく華やかなウィーンの街!
クリスマスのお花やいい香りのする紅茶のお店が
この巨大な寺院を囲んでいます。







2014/11/12

ウィーン旅行記③ウィーンと再会の夜

お月様も豪華!
 
思いスーツケースを押しながら地下鉄駅の
シュテファンプラッツを降り、エスカレータで地上へ。
 
地上が近づくにつれ、賑やかな音が聞こえて来ます。
この駅はウィーンの中心、シュテファン大聖堂の目の前の駅。
 
地上に出たとたん、ライトに照らされた巨大な
大聖堂が目に飛び込んできました。
 
人目はばからず、わー!!と叫びました。
なんだかまたこの場所に来れたなんて夢のよう。
なんて幸せなんでしょう。胸いっぱい。
この景色、におい、ちょうど1年前とまったく同じで
つい昨日のよう。
 
そこからすぐ近くのホテルに荷物を置いて
すぐに出かけました。
 
まずはウィーンのシンボルでもあるシュテファン大聖堂へ。
中にはいるとちょうど夕方のミサを行っていて
美しいコーラスが聞こえてきました。
 
明日の早朝はここでちょっと挑戦したい
イベントに参加。係りの人に時間を聞いたら次の場所へ。
 
ウィーンで一番感動した教会、ペーター教会へ。
美しいだけでなく、ほっと落ち着いたこの場所。
 
また来れて、本当に嬉しい。
マリア様に挨拶をしたら今度は華やかな
オペラ座界隈へ。
 
お菓子の街、ウィーン♪ 天国。


今回はここ、ゲルストナーのケーキを食べる予定。
ホテルからすぐ近いので To Go! しちゃう。
 
 
不思議なおすしを発見


ウィーンの宮殿に欠かせないシャンデリア。
ロブマイヤーのお店。
 
オペラ座。今夜は何の演目なのかな?
 
もう興奮絶好調の散歩です。
 
お腹が空いてきた。
 
やっぱりシュニッツエルとザッハートルテの
観光客セットでしょ。
 
という事でホテル・ザッハーのカフェに。
こんなに大きかったかな?(下にもう一枚あります・・・)
ポテトも隠れています。
あっという間に間食。
 
熱々のシュニッツエルを食べながら
無事到着の夜を祝いました。
(この夜、ザッハトルテは胸いっぱいで食べませんでした)
 
ホテルに戻って荷物を整えたら
日本から持参した「花王バブ」のお風呂に浸かって
爆睡!
 
さあ明日は初めて会う友達と待ち合わせ。
どんな出会いかとっても楽しみ。

2014ウィーン旅行記②ホテル・カイザリン・エリザベート

 
数メートル先が賑やかなケルントナー通り♪

皇妃お出迎え

昨年泊まったホテル・ベートーヴェンは大満足。
立地や「朝食」のてんこ盛り度、お風呂の広さ、
ヨーロッパを実感できる古い建物・・・そして予算内。
全部合格でした。
 
今年も同じホテルのつもりでしたが
飛行機代が昨年よりかなり安く済み
その分ちょっとグレードアップしてみました。
 
選んだホテル・カイザリン・エリザベートは
ウィーンでも有名な人気ホテルのひとつ。
ガイドブックにも必ず紹介されています。
 
 
 
ウィーンの中心にあり、ものすごく便利な場所。
それでいて静か。聞こえるのはシュテファン大聖堂の鐘の音だけ。
こんな嬉しい音はありません。
 
 
古いホテルでなんと1348年創業!
(当時は違うホテル名に違いありませんが)
モーツァルトやワグナーなども泊まったとか。
だからと言って高級ホテルではありません。
プチホテル、といった雰囲気。
女性好みかもしれません。
 
 
フロントもこじんまりとしていていい感じ。
小さなエレベーターや廊下のきしむ音、
思いドアなど、やっぱりこういうのが好きです。
 
部屋はシングルでしたが広くてビックリ。
お風呂も広くてあったかいし、いう事なし。
縦に長く広いので物を取るだけなのに
結構歩く・・・。


お願いすればバスローブやスリッパ、
ケトルなど貸してくれます(12ユーロ)
 
荷物を置いたら、さっそく夜のウィーンに出かけました!