2013/12/23

全身全霊

 
とても感動的な映像を見つけました。
 
小澤征爾さんボストン交響楽団時代の
カーネギーホールでの演奏です。
 
チャイコフスキー・ピアノ協奏曲のソリストは
あのキーシンです。
小澤さんとキーシン
どちらも大好きな二人の共演映像とは嬉しいです。
 
 
1995年の演奏会なのでこの時キーシン23歳。
 
この有名すぎる曲だからこそ
キーシンの素晴らしさに改めて感動します。
 
15歳の時、カラヤンの指名で
ベルリン・フィルと共演したときの
DVDもお気に入りです。


現在40代になり、「巨匠」と既に呼ばれているキーシン。
今でもこの映像のように全身全霊で演奏する姿は同じです。
小澤さんの指揮姿もしかり。
(ふたりとも髪が「爆発」してるところも同じ)
 
キーシンを見るたびに毎回
音楽のために生まれてきた人なんだと思います。
 
最近彼はイスラエル国籍を取得したそうです。
 
ユダヤ系ロシア人としての自分のルーツや
文化などに非常に強い誇りを持っていたようです。
 
まだまだ若いキーシンの
これからも楽しみです。
 
来年春、久しぶりの来日公演が決まりました。
 
 

さようならホテル・ボゴタ

 

 
『さようなら』

「またね」
「今度ね」
遠くに離れてる人にだって
「またね(=来年ね)」です。

『さようなら』という日本語は
私にとって少し寂しい、時には悲しいニュアンスです。

昨年のベルリン旅行で宿泊した
想いでのホテル「ホテル・ボゴタ」が廃業となり
12月1日をもって歴史に幕を閉じたそうです。
 

この悲しいニュースは今年の夏
「もしかしたら廃業になるかもしれないそうです」
ベルリン在住のジャーナリスト、中村真人さんから
連絡をいただきました。

近いうちにまたベルリンに行こうかと考え
同時にまたボゴタに泊まれるのを
楽しみにしていたので
このお知らせは大きなショックでした。

今度は友達もベルリンに一緒に連れて行く予定で
高級ホテルしか知らない友達に
ボゴタを案内するのもとても楽しみでした。

ベルリン波乱万丈の歴史、
とりわけ芸術家達が翻弄された人生を
包んでいた空間。
ベルリンの象徴的な場所のひとつでもあった
貴重なホテル。
現在も若い芸術家の作品発表のサポートしたり
その姿勢は変わりません。
独特の空気、心地よい優しさは
一度滞在すれば感じるはずです。

タイプ・トリップしたような気分になる
魔法の空間でした。
キシキシ、ミシミシ鳴る古い階段や床を
歩くのが大変心地よかったです。
「五感」にすべて訴えてくる場所でした。
今でもあの感覚、感触は鮮明に身体が覚えており
一生忘れることはないでしょう。


長年愛されてきたホテルがなぜ今になって
廃業という終わりを迎えたのか。
中村さんの情報によるとそれは
地価高騰や欧米ブランド・ショップ、
世界的チェーン・ホテル建設などの
発展が急加速に進むエリアにあるがゆえの
経営不振という悲しい現実でした。

詳しくは中村さんのブログをご覧ください。
その経緯から現在に至るまで
写真つきで詳しくレポートされています。
 
中村真人さんのブログ「ベルリン中央駅」より。
 
 
 
 
 
※ 中村さんのブログは最新のリアルなベルリンの空気を
感じる事ができるおすすめのブログです。
音楽やアートはもちろん、変化の早いベルリンの現実を
素敵な写真と共に紹介されています。
 

ボゴタを救うための署名運動なと
いろいろあったそうですが
残念ながら結果は閉鎖となってしまったそうです。

中村さんのブログを読んで
ホテルとしてのあの場所がこの世から消えてしまう
悲しさと同時に心が痛んだのは
3世代に渡ってこのホテルを経営しながら
住んでいたという一家も
出て行かなくてはならないという事実。
(私が一番ショックを受けたのはこの現実です)
 
 
地価の高騰にかかわらず宿泊費を20年前のままで
提供し、若いアーティストたちのサポートも
していたそうです。
 
12月1日の最終日はオープンデーとして
全室を開放し、たくさんの調度品や絵画などが
オークションにかけられたとか。

私もベルリンにいたら何かひとつ
ボゴタの想いでになる物が欲しかったです。
日本に持ち帰ったボゴタのギャラリーの
パンフレットやポストカードなどは
大切にしていきたいと思います。

私が宿泊した部屋の壁には
ユニークな顔の絵が3枚飾っていました。
ウォーホールのモンローをもじったような。
 
 
この絵画もオークション対象で
結構な値段がついていたそうです。

次回、ベルリンに行った時
もうホテル・ボゴタではない
建築物を目の前に、ノルタルジックな
気持ちになるかもしれません。
 
 
同時に余計なお節介かもしれませんが
ボゴタを長年経営されたご一家のこれからの
幸せを願います。きっとベルリンのたくさんの
人達から愛される一家であると思います。

私が5日間滞在したとき
たくさんのスタッフの人達と接しました。
その中にこのご一家のどなたかと
接する事があったのだろうかと振り返ります。

一番印象にのこっている方で
いつも身なりのよいスーツを着た50代くらいの男性が
いました。

狭いフロントで電話を取ったり、キー渡したり、
質問に答えたり、同時にたくさんの事を起用に
こなしている方がいました。
「あなたはまるでマジシャンのようですね!」
私がそういうと
「なんて嬉しい言葉!いまの言葉で救われましたよ」
優しい笑顔で返してくれました。

夜、素敵な空間を見ていたら
「あなたは日本人ですか?」とまたその方が来て
「いま、日本人のアーティストの作品が吹き抜けのところで
展示されていますよ、とても素敵だから見てくださいね」
そのアーティストのポストカードをくださいました。

毎夜遅くにホテルに戻って
いつも一生懸命働いているその紳士の姿を見ると
安心したのを覚えています。

その方はオーナー一家の人ではないにしても
ホテル・ボゴタを去らなくてはならない人の一人です。
彼のこれからの人生も健康でたくさんの
愛に包まれていることを願います。

最後に一冊の本との出会いで
ホテル・ボゴタを知る事ができました。
この本に出会ってなかったら
私は一生このホテルを知ることができませんでした。

もう二度とここに泊まれる事ができないのは
悲しいですがそれでも
廃業の1年前に滞在できたことは
とてもラッキーな事です。



この本の著者
中村さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

(現在は改訂版が発売されております)
 
 


2013/12/03

ウィーン旅行記(21) 楽友協会<最終日・カヴァコス再登場!>

 
 
ホテル・インペリアルで豪華なディナーの後
徒歩1分もかからずに楽友協会へ。
 
いよいよ今夜が私のウィーン旅行最終日でもあり
4夜連続、シャイーさん指揮、ケヴァントハウス管弦楽団
「ブラームス連続演奏会」の最終日でもあります。
 
演目は興奮の内容。
最近欠かさず聴いている
そして交響曲第4番。
 
このタイミングで目の前で聴ける、見れるなんてラッキーです。
 
しかも今日の席が凄い!
 
 
ステージに向かって左側のボックス席の一列目の
一番ステージ寄りです。
(チケットを手配してくれた友人に
カヴァコスが出る日は可能な限り"眺めのいい席で"と
お願いしたらこんなすごい席をとってくれました!)
 
実際座ってみてびっくり。
 
 
 
 
 

左腕を伸ばすと第一ヴァイオリンの人達の
椅子や楽譜に触れそうな近さ。
こんなにステージと客席が近い作りなんですね。
 
ステージの床が傷だらけでこれがとてもいい感じです。
 

指揮台すぐそこ!
カヴァコスもすぐそこ!
 
指揮台もすぐそば。
カヴァコスが立つであろう位置から数メートルです。
 
このボックス席には5.6席の椅子。
お隣には素敵なご夫婦。
挨拶をして席に着きました。
 
本日も満員御礼。立見席もびっしり。
 
オーケストラの人達がステージに。
実際に登場するとさらに近くてびっくり。
すぐ隣に演奏家達がいて、緊張しました。
 
沈黙のあと、カヴァコスと指揮のシャイーさん登場!
 
ひゃ~近い。すぐそこにいます!!
 
シャイーさんの指揮棒が振られました。
 
こんな近い席、一体どんな風に音が聴こえるのでしょう。
 
すぐ隣の第一ヴァイオリンのグループ。
彼らの弦の音がダイレクトに耳に来ます。
2階席で聴いた一番バランスがいいとされる席とは
当然ながら違います。
「伴奏、こんなメロディだったんた」と解明できるような感じ。
コントラバスの振動もガンガンきます。
自分も演奏グループの一人になってるような気分。
 
シャイーさんの顔の表情が飽きません。
目でコンタクトを取っていて、顔で指揮してるみたい。
素晴らしい指揮者ですっかりファンになりました。
 
そしてカヴァコスの導入が!
 
わ~ヴァイオリンも近くで聴くとこんな音なのね!
弦の摩擦が伝わる!
そしてカヴァコスの鼻息から服の摩擦、
身体でリズムを取っているときの靴の音・・・
頻繁にずり落ちそうなメガネをあげるとこ、
なんでも「リアル」です。
リハーサルをのぞき見してるような気分です。
 
これぞ「ライブ」の臨場感。
 
シャイーさんがカヴァコスとオーケストラを乗せて
最高潮に盛り上げていった感じです。
一体感のある演奏でした。

まさにこの映像のままの
ソリスト、指揮者、オーケストラでした。

最後のフィナーレではシャイーさんと
カヴァコスが顔を見合わせながら締めました。
楽しい演奏会。
 
隣の奥様も大声で「ブラボー!」と拍手。
私も一緒に叫んでみましたが
声が小さいのでぜんぜん響きません・・・。
 
何度もステージに現れたカヴァコスも
とっても嬉しそうでした。
 
 
私の席からはステージ奥の廊下まで
見えたのですが、奥に引っ込んだカヴァコスが
ドアの開け閉めをしているスタッフにも
お礼の握手やハグをしていたのが見えました。
 
ほんと、いい人♪
 
その後の交響曲第4番は
ホルンや管楽器が響きまくり大迫力。
 
近い!
 
演奏会後、お隣の奥様が話しかけてきました。
 
「あなた、とっても『キレイ』だから
記念に一緒に写真いいかしら?」
 
なんとまあ(もの好きな)!
 
ご主人がカメラを構えてとってくれました。
こちらのご夫婦、パリにお住まいで
ウィーンの旅行中だとか。
 
私の名前を言うと
「それはどんな意味があるの?」
 
意味を伝えると
「まあ~素敵だわ。
日本人の名前には素敵な意味があるって
聞いた事があるの」
 
すると隣のご主人が
「日本女性の名前、私も知ってるよ」
 
「NOBUKO」
 
ノブコ・・・。
 
ちょっと噴出しそうになりましたが
グッとこらえました。
一体なぜこのご主人はノブコなんでしょうか。
若い頃、ノブコをナンパでもしたんでしょうかね。
そんなキュートなご夫婦ともお会いできました。
 
さらに幸運にも、カヴァコスに会うことができ
気になっていた大きな手を見せてもらいました。
 
「僕の手はそんなに大きくないんだよ」
と言っていましたが・・・。
やはり大きな手と長い指でした。
この手があの美音を奏でるんだ~と感無量です。
 
数日前に体調を崩し、パリ公演が延期になったようでしたが
ウィーンではすっかりお元気そうでした。
 
「ヨーロッパは寒いからこれで暖かく」
ウケ狙いで日本が世界に誇る
ヒー〇・テッ〇をプレゼントしてきました(笑)
 
相変わらず明るく優しくて、みんなの人気者でした。
いつもカヴァコスの周りには太陽が照ってるみたいです。
 
 
ウィーン、最終の夜。
 
帰り道、思わず空に向かって
「ありがとうございます!!」
叫んでしまいました。
 
みなさま
ありがとうございます!!


ウィーン旅行記⑳インペリアル・ホテル



 

楽友協会コンサートに通うたびにお目にかかる
すぐ隣の神々しい趣の

天皇陛下、マイケル・ジャクソン、レディ・ガガ、などなど。
世界の皇族やVIPの人達がウィーンに来たら
ほぼ宿泊先はこちらだそうです。
 
世界的な指揮者や演奏家の写真、
サインもドアにさりげなく飾っていました。
もちろん一般の人が利用するホテルでもあります。
 
新婚旅行がウィーンでこんなホテルに泊まって
そのまま楽友協会でコンサート・・・
想像しただけでウットリ・・・。
いいなぁ~お金持ちピーポー。
 
しばしこの映像を見ながら満喫くださいませ。
 
なんて事を妄想しながら
「よし!無事に終えられる旅行記念に
最終日はここでディナー!」
と決めました。
 
ディナーといってもレストランは高級すぎるし
一人で入るのは相当さびしい・・・(笑)
もう少し気軽に利用できる

いまは改装中のようで
少し狭い場所での営業だとか。

もちろんきちんとお洒落していきました。
ドキドキしながら豪華なホテルに入り
右に曲がるとカフェの入り口があります。
(数日前、ここの有名なインペリアル・トルテを買いに
来たので場所は把握済み)

入り口に入ったら笑顔で挨拶して
背筋を伸ばして受付に。
前回トルテを買ったときの
サービス係の男性がこの日もいました。
「今日はこちらでお食事したいのですが」

その男性は笑顔満開で
「ようこそ!どうぞこちらへ」と
テーブルに案内してくれました。
(第一関門突破!)
 
 
カフェとはいってもやはり緊張します。
とっても静かな空間。

ご夫婦同士やマダム、
お金持ちそうなおじいさまがお一人とか。
結構席は埋まっていました。
 
こっそり持って帰りたかったナプキン(笑)
 
素敵なクロスやカトラリー。
うっとり眺めてしまいます。

飲み物のリストを持ってきてくれました。
あいにく、お酒が飲めないので
炭酸のお水をオーダー。
ガス入りのお水は大好きです。
 
料理のメニューは英語ですがよくわかりません。
そんな時はわかったふりをせず
質問するに限ります。
 
ガイドブックを見て
食べてみたかった料理がありました。

「キノコ入りポテト・スープ」

料理名からして美味しいにきまってますよね(笑)。

ウィーンには家庭的なあったいスープ料理が
たくさんあるみたいです。
メニューにちゃんとありました。
 
さて、メイン・ディッシュは何にしよう・・・。
なんとなくお肉が食べたい。
でもあっさりした味がいいな。。。
 
お肉料理で重くないおすすめを聞いてみました。
男性は2,3勧めてくれました。
 
子牛のなんちゃら、が気になって具体的に
どんなのか聞くと
「これはジューシーで美味しいステーキです!
たぶん気に入ってくれると思いますよ」
ということでステーキにしました。
ほほ~ウィーンの高級レストランのステーキって
どんなんだろう。。。
 
まずはメニューがスムーズに決まってホッ。
(第二関門突破)
 
 
バスケットに入ったパンが5種類きました。
バターもキレイにカットされています。
(美味しそうなパン。全部食べたかったけど
お腹がいっぱいで1個がやっと・・・)
 
まずは噂のポテト・スープがきました。
運んでくれるのは黒いワンピースにフリルのついた
白エプロンを着た女性です。
オッサレ~。
 
 
わ~!
食器が素敵。
お皿が2枚重なってる、真っ白なスープ・カップに
ホテルの紋章入り。
 
スープは素晴らしく美味しかったです。
ポタージュ系で、ジャガイモやキノコの歯ごたえがよく
複雑なハーブの香り。
そしてサーブされたときの温度が絶妙。
熱いのにすんなり口に入る(フーフー(笑)しなくてよい)
でもぬるくない。
 
スープを味わいながら周囲の人達を観察。
 
奥のテーブルではウィーンに住んでるらしき
ご夫婦がインドあたりから来たと思われる
ご夫婦を接待していました。
どこに行きたいかとか、おすすめの場所とか
熱心におもてなししていました。
 
その隣はマダムが一人で
新聞を広げながら食後のコーヒー。
とっても慣れてる感じだったので常連さんでしょうか。
 
手前のテーブルには
高級バッグをぶらさげたお洒落な女性2人。
ショッピング後のお食事のようです。
大きなサラダにお肉が少し入っただけのもの。
このお二人も炭酸入りお水。
ダイエット・メニューなんでしょうか。
 
右の席にはご年配のおじいさまがお食事に。
 
「おまたせしました」
 
きました「ステーキ!」
 
 
 
わ~なんとも美しいエレガントなステーキではありませんか。
ステーキと呼んでいいのでしょうか。
 
口に入れると
ひや~!な美味しさでした。
本当にあっさり。ソースもあっさりしています。
また焼き加減と温度が最高に美味しくいただけます。
 
お肉の下には茹でたキャベツをさっぱりクリームソースで
あえたものがたっぷり。
 
コロッケのようなものはマッシュ・ポテトを
揚げています。
薄味で薬草の香りがほのかです。
 
大満足!!
 
本当はこの後、ここで「インペリアル・トルテ」と
コーヒーをゆっくりいただきたかった。
でもコンサートで時間がありません。
 
 
ホテルの自慢のひとつ。
優しいミルクチョコレートでコーティング。
中はマジパンが上にあり、アーモンドを細かくしたものと
スポンジが幾層にもなった複雑なトルテ。
 
私のホテルの部屋にはナイフもフォークもなく
おにぎりを食べるようにかぶりつきました・・・。


こちらに限っては「エコ」とは程遠い過剰包装です。
なかなか食べれません。
小さな箱の中にはさらに説明書まで入っています♪
 
上品で不思議な歯ごたえで
大好きになりました。
 
宿泊すると朝、コーヒーとこのトルテ、
アイロンをかけた新聞を
部屋に運んでくれるサービスがあるのだとか。
 
無事、チップ込みでクレジット・カードの
サインもスムーズにできました。
(第三関門突破)
 
トルテはホテルに戻ったらゆっくり・・・という事で
お持ち帰り分を購入しました。
 
ああ~贅沢なお食事と時間でした。
 
お値段は日本のホテルのお食事より
もっとリーズナブル。
 
おすすめですよ!
 
 

ウィーン旅行記⑲ラブリーなお散歩


 
ハプスブルク家代々の棺を
拝観させていただき、
 
今度は明るく素敵なウィーンの街を
じっくり観光&お買い物へ。
 
明日で帰国・・・そういえば毎日歩く
ショッピング通りは目的地に向かって早足で歩くのみで
じっくり見ていませんでした。
 
地図なしで赴くままに歩いてみました。
 ウィンドーがどこもかしこもキレイです。

お散歩中に偶然であった素敵な風景。

16世紀創業、ウィーン最古の薬局「エンゲル薬局」

1902年改装の時、この天使像が描かれたそう。
 
ウィーンっ子もキティちゃん好きなのね。
 
 
こちらも偶然見つけた感激の
チョコレート屋さん。
というオーストリアのお店。
とっても美しい!
 
 
 

おひめさまの靴も中も全部チョコ!!

 

ウィーンで買ったものはまたあとで。
 
時計を見るともう3時。
ホテルに戻って着替えなきゃ。
 
今宵はいよいよ楽友協会での
コンサートも最終日。
そして大トリ(!!)でまたカヴァコスが登場します。
 
そして今夜はせっかくの記念に
あのインペリアル・ホテルでお食事です!!
 
 

ウィーン旅行記⑱カプツィーナ教会「ハプスブルク家納骨堂」

 
 
カプツィーナ教会


右側の入り口がKaisergruft「皇帝納骨堂」

ウィーン4 日目。
 
明日は午前でホテルを出て日本へ帰国。
実際、ウィーンを楽しむのは今日が最終日。
 
今日はちょっとウィーンの中心街や
可愛いお店など細かくお散歩しようと思います。
お買い物もしたいな~♪
 
まずは私のスタート地点である
オペラ座まで歩きます。
あ~昨夜のヌッチさんは素晴らしかった!
 
お散歩の前にひとつ行きたい教会がありました。
 
すぐ近くにあるカプツィーナ教会。
ガイドブックによると、
ここの地下にハプスブルク家の12人の歴代皇帝、
18人の皇妃、一族150人近くの棺があるのだそう。
1632年以来、最近では2011年、最後の皇太子、
オットー・フォン・ハプスブルク氏の棺が加わったそうです。
 
これは興味深々。
なんたってハプスブルク家の皇帝の皆様が
眠ってらっしゃる。
 
外見は小さな教会。
教会入り口の隣に納骨堂の入り口。
入場券を買って階段を下ります。
 
写真撮影はOKとの事。
フラッシュや音を消して
数枚撮らせていただきました。
 
だれ~もいなくてちょっと尻込み。
心を落ち着けて一礼をして入りました。
 
 
白い壁の空間に手前から奥まで
ひたすら棺が並んでいます。
 
 
しかし!
その棺はコテコテの装飾だらけ!
さすが皇帝さまの棺です。
棺とはいえない・・・。
 

 
 

このような豪華な「デザイン」なので
暗いとか重い空気とか
そんな雰囲気ではありませんでした。
 
手前にはお名前と生きていらっしゃった年代が
描いてるプレートがあります。
 
入ってすぐの並びはかなり豪華な装飾なので
「偉い皇帝」さん達の
コーナーかと思われます。
 
そのまままっすぐ行くと突き当たりに
少し違う空間がありました。
 
 
「!!!!!」
さらに凄いです。
 
中型トラックサイズ

 
巨大な船のようなあまりにも
大きすぎる棺?がありました。
 
そうです、こちらはやっぱり
女帝マリア・テレジアの棺でした。
そして生涯ラブラブのご夫婦だったので
夫のフランツ1世と一緒の棺なんだそうです。
これは大変珍しい事なんだとか。
幸せですね♪
 
 
このマリア・テレジアご夫妻の棺の空間は
天井画もあり、一周して見れるようになっています。
 
 
この打ちのめされる棺でお腹いっぱい。
 
ところが絢爛豪華な棺コーナーを通り抜けて
曲がるとまったく違う空間が始まります。
 

 
ここは誰がみても「棺」とわかる
シンプルで長方形のものがびっしりと並んでいます。
 
さすがに少し生々しい感じがしました。
静粛な気持ちで歩きました。
 
ところどころに装飾のあるもの。
そしてとても小さな棺・・・。
きっとそのご家族の想いが
棺に込められているのかも。
 
後で知って残念だったのですが
あの「マルガリータ王女」の棺もあったそうです。
 
「M」の文字がさりげなく彫ってあるのだそう。
 
ベラスケスの絵で有名なマルガリータ女王ですが
棺は特別な場所にあるのではなく
他の皇妃たちの並びにあるのだとか。
 
ベラスケス作「マルガリータ王女」
(当時のお見合い写真のようなもの)
マルガリータ王女はスペインから15歳で
政略結婚のためウィーンへ。
とても身体が弱かったそうですが6年の間に6人出産。
(そのうち成人したのはたった1人)
なんども流産し、最後は第6子の出産直後に亡くなったそうです。
たくさんの妊娠で身体が衰弱していたのだとか。
 
とても心が痛むお話です。
彼女に限らず、当時は帝国繁栄の為
このよう結婚は珍しくなかったと聞きます。
 
子供の頃から親同士、国同士が決めた相手と結婚させられ
ひたすら跡継ぎの子供を生む・・・。
(幸い、夫のレオポルト一世とは仲のよいご夫婦だったそうです)
 
絵画で見たお人形のように愛らしく
しかし過酷で短い生涯を過ごした
マルガリータ王女の棺の側に立ってみたかったです。
どんな気持ちになったかな。
 
ずらり並ぶシンプルな棺の空間を歩くと
明るく少し華やかな空間に3つの棺が並んでいました。
 
 
これがエリーザベト皇妃、フランツ皇帝、息子のルドルフ皇太子。
 
エリーザベトの棺の前にはお花が。
きっと世界中からファンの人が供えていくのでしょうか。
 
 
最後の入り口には2011年に亡くなった
最後の皇太子の棺がありました。
木製のとてもシンプルな棺で
たくさんのお花に囲まれていました。
 
リアルな偉大なるハプスブルク家。
こうして華やかなウィーンを見守るかのように
歴代の皇帝ファミリーは地下に眠ってらっしゃいました。
 
ウィーンの華やかな観光名所の殆どは
ハプスブルク家と関係しています。
豪華な観光をしたら最後は是非ここに寄ってみては。
 
おとぎ話ではない一族の姿を
感じることができるかもしれません。
 
 

ウィーン旅行記⑰国立歌劇場「レオ・ヌッチ」リサイタル




 
今宵はオペラ座デビューです。
 
夜はさらに美しい!!
 

 
ウィーン国立歌劇場でバリトン歌手のリサイタル!
なんて豪華なんでしょう・・・。
 
映画でよく見た貴婦人たちがオペラグラスで
観劇する赤いビロードの椅子。
曲線のようにステージを囲むボックス席。
 
一度でいいから座ってみたかった。
 
先日は昼間にオペラ座の見学ツアーに参加しました。
その時も絢爛豪華な様子に感激でしたが
やはり夜のライトアップされた
そしてたくさんの着飾った人が集まるオペラ座!




 
私が行った日の演目はオペラではなく、
イタリア・ミラノスカラ座の大スターといわれる
(イタリアの国宝とも言われる大ベテランの方だそう)
レオ・ヌッチさんのリサイタルです。
 
まったくオペラに疎いのでこの偉大な方は知りませんでした。
友達のおすすめでせっかくウィーンに来たのだから
1日くらいはオペラ座も、という事でこの日に。
 
日本でもとても人気のある方なんですね!
今年ミラノ・スカラ座来日公演で
リゴレットを演じ、日本人の涙を独占したそうです。
 
まずは憧れのボックス席。
 


 
 
ひゃ~こんな仕組みの作りなんですね。

この眺め!!!!!
 
田舎者200%発揮。
写真撮りまくり。
隣のボックスに座ってるファミリーに
話しかけて写真撮ってもらう。
開演まであまり時間はありませんでしたが
遊園地気分で探検。
 
再び自分の席に戻ると
隣に恰幅のいい
優しそうなオジサマが座っていました。
 
挨拶をしてちょっとお話。
なんとそのオジサマはこの歌劇場の職員さんで
専属の歌手さんでした!
(社員証なるものまで見せてくれました)
ヌッチさんのファンで今夜は聴きにきたそうです。
 
おかげでヌッチさんのヒストリーや
オペラのお話などいろいろ教えてくれて
何倍も楽しめました。
 
いよいよヌッチさん登場。
 
登場するなり会場はすでにスゴイ拍手とブラボー!
絶大なる人気です。
 
その歌声はとっても迫力と優しさがあり
美しい楽曲(ヴェルディ)で親しみやすいものばかり。
そして明るい会場の雰囲気。
時には会場からの掛け声に応え
笑い声も響きました。
 
 
アンコールが3曲ほど続き、
盛り上がりは最高潮に。
もちろんずっとスタンディング・オベーションです。
最後はみんなで大合唱!
 
 
 
この日の様子がヌッチさんのHPに
掲載されていました。
 
とても心が温かくなる
素晴らしいひと時でした。
 
席を立つとき、そのオジサマから
嬉しいお言葉をいただきました。
 
「今日このリサイタルを聴けてラッキーだったね。
日本からオペラ座に来てくれて僕も嬉しいよ!
素敵な旅を楽しんでね!」