2012/10/01

ベルリン旅行記⑧(カヴァコス室内楽)

パンフレットは2ユーロ。
ドイツ語オンリーです。
 
いよいよコンサート第1回目。
レオニダス・カヴァコスと
ベルリン・フィルメンバーによる室内楽です。

 


開演30分前に演目の解説レクチャーもあります。
(右手に映ってるのが参加のお客様たち)
ただしドイツ語です。
 
お昼の思いがけないリハーサル見学では
最上の席から見下ろすように眺めました。
 
私の席は1列目の真ん中。
ものすごくステージと近いです。

左椅子にカヴァコス♪

ステージが低い!

室内楽ホールとは言っても
1200人収容できる立派なホール。
お客様のざわざわした話し声も響き渡っています。
 
いよいよ登場。
ステージから見える奥の扉が空きました。
おなじみのメンバーの最後に長髪のカヴァコスでした。
いつものアジアン・テイストな服です。
みな黒シャツスタイルのリラックスした雰囲気です。
 
まさに「阿吽の呼吸」で始まりました。
 
1曲目はストラヴィンスキー。
目線と呼吸でコミュニケーションを取りながらの演奏。
カヴァコスのヴァイオリンは決して
一人で目立つものではなく輪を保っていました。
とはいってもひときわ透き通った音色は
聴衆をうっとりさせたのは言うまでもありません。
時折笑顔で楽しそうに演奏していました。
 
2曲目はベルリン・フィルメンバー4人だけの演奏。
アンリ・デュティユという現役96歳のフランス作曲家の作品。
オーボエ、コントラバス、打楽器、チェンバロ。
これがまたカッコイイ演奏でした。
彼らは普段オーケストラの団員としての活動メインですが
「全員がソリスト」とも言われています。
華がありソロでも充分コンサートができる実力。
それゆえ、ゲスト・ソリストや指揮者にとって
ベルリン・フィルはとても怖いオーケストラだとも。
 
この後、休憩。
このホールにずっといたく、ロビーに戻らず
座ったまま周囲を見渡していました。
すると、さっきステージでオーボエを弾いていた人が
真後ろに座ってきました。
次のカヴァコスの演奏を客席から聴くようです。
違う席にもおなじみの若いチェリストが私服で座っていました。
 
最後の3曲目は
お待ちかねのベートーヴェン七重奏曲
 
リハーサルの時の美しい演奏はこれでした。
最初からカヴァコスのキラキラの音が
会場に魔法のごとく響き、鳥肌立ちっぱなしでした。
とても優しい空気が流れていました。
 
「ああ~終わってしまった、もっと聴きたい」
きっとその場にいた人達はそう思ったかも。
 
客席もステージもみんな笑顔の
暖かいコンサートでした。
 
夢中で拍手をしてると
隣の若い女性が英語で話かけてきました。
「彼があなたの事、誰かに似てるっていうのよ」
「え?」
右を向くとドイツ語しか話せないらしい
40歳位の長髪の男性がニヤニヤこちらを見ています。
 
「彼はあなたが名前はわからないけど
日本の有名なヴァイオリニストだって言うんだけど」
(ウケる)
 
「私はベルリン・フィルとカヴァコスのファンよ」
「え、そのために日本から来たの?」
「そうよ」
 
女性はその男性に話しました。
すると男性もビックリしながら
「いいよね~カヴァコス!」(グッジョブ!)
みたいな事を言ってました。
 
この後、カヴァコスとの写真の約束にありつけていたので
名残惜しくもホールをすぐに出ました。
 
階段を下りながら人の視線を感じると
真後ろにさっきの不思議カップル。
男性がまだ
「絶対日本のヴァイオリニストだ」と言ってきます。
(ウケる×2)
 
しかし、誰だと思ったんだろ・・・。
(残念ながら)諏訪内晶子さんじゃない事だけは確かです。
もしかして韓国のチョン・キョン・ファさんか?
多分、五嶋みどりさんあたりかと思っています。
 
コンサート後はベルリン・フィルの若手メンバーや関係者が
次々とカヴァコスに挨拶していました。
客席にいたイケメン・チェリスト君も
大人しそうに順番を待って挨拶していました。
カヴァコスは一人一人に大きな声で
「元気だったか~?」「頑張ってるか~?」と
ぎゅうぎゅう抱きしめていました。
みんな嬉しそうでした。
本当に慕われているお兄さんなんですね。
 
「髪、伸びたね」
と、からかわれていました。
 
夜10時過ぎ。
スキップしたくなるルンルンの足取りで会場を出ました。
するとまた遭遇
前方の歩道に例のカップルが!!
3度目です。。。
よく見ると二人ともヴァイオリン・ケースを担いでいました。
二人とも演奏家なのかも。
 
 
夜遅いのでコンサートホールからホテルまではタクシー。
わりと近いので1200円位です。
 
タクシーの運転手さんはイランからの移民だとか。
愛想が良くお話好きなおじさんでした。
私もハイテンションだったのでホテルに着くまで
二人で大声でノンストップおしゃべり大会でした。
 
ドイツ・マルクからユーロに変わった時は
大変だったとか、儲けが少なくなったとか、
アジアは家族でいろいろ旅行したけど
日本だけは高くていまだ行けない、とか・・・。
ベルリンは観光にオススメだけど他のドイツの町は
お城だけで田舎で退屈だよ~とか(笑)。
 
ベルリンのクリーム色のタクシーは
きちんとしていて安全です。
タクシーはベンツとか多いです。
このおじさんが嬉しそうに自慢しました。
「最近買い替えたんだよ。
この車はトヨタのハイブリッドだよ。最高だよ!」
 
ホテルに着いてから
日本の家族や友達にカヴァコスとのミラクル写真を
送信しまくったのは言うまでもありません。
 
件名:「合成じゃないよ」。

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