2012/09/30

ベルリン旅行記⑥(フィルハーモニー・ガイド・ツアー)



迷い道&夢のようなハプニングの後
無事にフィルハーモニーのガイド・ツアーが始まりました。

ガイドをしてくださる優しい笑顔の女性と
男性1人、女性2人の3名グループが一緒。
あれ、私を含めたった4名?

「まあ、今日はとっても珍しく4人しか
お客様がいないのね。その分じっくり見学できるから
ラッキーかもしれないわよ」
(20人位の時も多いとか)

一緒に参加したのは
ドイツの違う街から来たという建築関係の3名。
建築物としてのフィルハーモニーに
興味があって参加したようです。

「まずはフィルハーモニー(大ホール)から行きます。
今日はオーケストラのリハーサルで
コンサートホールの中には入れないんです」

それでも自分たちしかいない
ガランとした会場に入れるのは
特別な気分でドキドキ。



「私は何語で話せばいいかしら?ドイツ語の後に英語ね」
しばらくガイドの女性は2か国語で話していましたが
ドイツ人の人達が
「私達も英語大体わかるから英語だけでOKよ」と
言ってくださり、英語でのツアーが始まりました。

複雑な構造で迷ってしまうと有名なホール。
赤と緑の扉で左右にわかりやすくなっています。
(でもやっぱり迷いました・・・)



まずは大ホールのロビーに行きました。
天井が高く、自分たちの頭上がコンサートホール。
 
設計したハンス・シャロウンの話
カラヤンのエピソードなど
資料をまじえて話してくれました。
 
シャロウンは当時めずらしく
ステージをぐるりと客席が取り囲む
ブドウ畑のような構造「ヴィンヤード型」にこだわりました。
会場の人達と音楽を皆で平等に共有する考えだとか。
 
残響時間を2秒にするために
模型で研究した専門家の話。
演奏家達が自分の音を聴けるよう
天井に上がった音が下に戻ってくる反響板、
低音が消えないようにする壁の話
などなど・・・。
このフィルハーモニーの技術が
世界中のコンサートホールで取り入れられているそうです。
東京のサントリーホールもまさにその一例です。

ロビー内にシャロウン氏の胸像があります。
 
今日は大ホールに入れない日なのでパネルで
音響の仕組みを説明してくれました。

大雑把に歩き回るだけのツアーかと思いきや
音響の秘密やホールには左右あるとか
ロイヤル席があるとか、鐘があるとか
まさにトリビアの世界。

実際に演目によってこの鐘を鳴らすそうです。
3つの重なる五角形のシンボルマークは
音楽、人間、空間を表しているそうです。
 
 
建築関係の人達と一緒だったので
質問も専門的でガイドさんも熱が入り
面白いツアーとなったのは確か。

このホールは音楽の船のイメージ。
確かに丸い窓やステンドグラス、
そして外観の天井や音響パネルなどの
デザインは船を連想させます。
 
 
 
床にはところどころモザイク模様。
これは音楽を表しているとか。
 
巨大なロビーから見上げた天井。
この上が「ブドウ畑」のような客席になっています。

 
 
「では次に隣の室内楽ホールに行きます」

連絡通路でつながる隣のホールに行きました。

「今夜はこの室内楽ホールでアーティスト・イン・レジデンスに
選ばれたヴァイオリニストのレオニダス・カヴァコスが
演奏会をします。実は今リハーサルが始まってるそうですが
今日は皆さんだけだから特別にロイヤル席で
リハーサル見学にお連れします」

私達が手をたたいて喜んだのは言うまでもありません。
またもやラッキー・サプライズ。

「もちろん撮影もモバイルも音一つ立てないでね」

エレベータで上にあがり
ガイドさんが小さな扉を静かに開けました。
シーっという合図とともに
その扉に近づくと
ヴァイオリンの音が聴こえてきました。
もしやこれは・・・。
 
足音に気をつけて中に入るとそこは
最上階の中央、まさに上からステージを見下ろす席。
真っ暗な客席にステージだけライト。
 
左手前にはカヴァコス、その他6名位
ベルリン・フィルのメンバーがリハーサルをしています。
客席には私達5人だけ。
 
「ほんとにカヴァコスだ・・・」
手首を折り曲げるように弾く独特のスタイル。
映像で見るのと全く同じ。
本物です(笑)。

柔らかい空間に繊細な音色が響きます。
それは彼のヴァイオリンで連想する
「キラキラ輝く極細の絹糸」
イメージそのものでした。

時々演奏を止めて
メンバーと話をしながら演奏を合わせていました。

10分近く座らせてくれました。
ガイドさんの合図でホール外に出た私達。
 
「信じられない!
あんなきれいな音、生まれて初めて聴いたわ!」
みんな興奮状態。
みんなでガイドさんにお礼を言いまくったのは
いうまでもありません。

素晴らしい見学ツアーに大満足。
ガイドさんがどれだけベルリン・フィルや
フィルハーモニーを愛し誇りを持っているかが
伝わってきました。

このガイドさんには後日
お礼のお手紙を書こうと思います。

クラッシック音楽に興味がなくても
ベルリンに行ったらこのツアーは絶対におすすめです。

くれぐれも駐車場側、裏口右手の
アーティスト用エントランスのドアを
開けてチケットを買いましょう!!


出口付近に黄金に輝く外壁パネルが飾っています。
アルミニウム製だそうです!

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