ウィーンは実際行ってみて
その「大きさ」が気に入りました。
パリのように巨大すぎず、徒歩で殆どの名所を
周れる大きさ。
10分でも歩けばこれでもかという位
美しい宮殿や美術館、協会、劇場が目に入ります。
そんな素敵な建築の中で
心を奪われたのが「ウィーン分離派館」です。
ゼセッシオン(secession)と呼ばれています。
滞在したホテル・ベートーヴェンから徒歩2分もかからない
すぐ近くにあり、贅沢にも毎日何度ももこの
魅力的な建物も前を通る事ができました。
そのたびに立ち止まって周囲をぐるりとまわりました。
この建物に飽きる事は一生ないでしょう!
ウィーン分離派はクリムトやその他の芸術家達によって
1887年に設立。
その自分達の為の展覧会場として立てられたのがこの
分離派館で1897年に出来たそうです。
(オットー・ワーグナーの弟子、オルブリヒ作)
普通のスーパーや市場があり
車も良く走るところにいきなり存在しています。
いきなり現れます・・・! |
まず目をひくのが金色のメッキで加工させた
3000枚の月桂樹の葉で飾られたドームでしょうか。
今では「金色のキャベツ」というニックネームがあるとか。
私はキャベツもいいですが
正面の装飾が大好きです。
3人の怪しげな女性3人はギリシャ神話に登場する
有名な恐ろしい怪物「ゴルゴンの三姉妹」
(末娘のメデューサは有名ですね)
その下の文字は
「画家」「建築家」「彫刻」のような意味だとか。
中央の上にある文字の意味:
「時代にはその時代にふさわしい芸術を(与えよ)
芸術には芸術にふさわしい自由を(与えよ)」
正面左の文字の意味:
「ヴェル・サクレム(聖なる春)」は
分離派が発行した美術雑誌の名前だそう。
中央扉の左右には「トカゲ」が逆さまにはりついていたり
大きな植木鉢(笑)のような足元は
カメさんがヨチヨチを支えていたり・・・。
近くで見るとものすごい建物です。
この建物自体が「世紀末ウィーン」の象徴。
現在もこの建物は
ギャラリーとして使われています。
そして何が楽しみだったかというと
クリムト作「ベートーヴェン・フリーズ」の
壁画が地下で見れるのです!!
(※ フリーズ、という意味は「帯」とかそういう意味だそう)
帯のように長く連なった絵だからかな。
この絵画にも「ゴルゴンの三姉妹」が描かれています。 |
私はクリムトの作品でこれが一番好きです。
1902年にグループ展のためにクリムトが描いた大作。
ベートーヴェンの交響曲第9番をテーマとした
全長34メートルの壁画です。
なんと展示会が終わったら処分する予定だったとか!!
なが~いカード。 |
1903年に壁から引き剥がされ、
ボロボロの状態で放置されたのち
1973年にオーストリアの所有物に。
そして1986年に修復をして再びこの場所に戻されたという
歴史があるそうです。
今はこの作品だけの部屋(空間)になっていて
部屋を1周すると全部が見れるようになっています。
中央に椅子があるのでゆっくりと好きなだけ見れますが
天井に近い位置にあるので首が疲れます。
細かく見たい人はオペラグラスでも?
私はその空間い入ったとたんに
しばらく寒気がしたというかゾーっと鳥肌が立ちました。
ものすごく魂に訴えてくる絵巻物を見ているような感覚。
この作品は深い意味がこめられています。
ネットで検索すると詳しくわかります。
パンフレットの説明を
大雑把にまとめると
人類の幸福探しといった内容。
この絵には浮遊する精霊が何度も登場し
人類を導いています。
その途中で苦悩する人類
誘惑する怪物たち
人類を代表する騎士
人類を慰める竪琴を持つ女性
最後は第9の音楽のように
「楽園の天使たち」の合唱の前で
接吻する男女の姿。
「この接吻を全世界に」というメッセージは
第9の最後の合唱からの一節
シラーの「歓喜に寄す」までさかのぼるとか。
いや~すごい作品です。
そう思いませんか???
パンフレットのセンスもさすが |
心からこの作品に出会えて嬉しかったです。
これからじっくりこの作品について
学んでみようと思います。
グッズのセンスもさすが! |
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