2013/11/18

ウィーン旅行記⑨ウィーン分離派館と「ベートーヴェン・フリーズ」



 
ウィーンは実際行ってみて
その「大きさ」が気に入りました。

パリのように巨大すぎず、徒歩で殆どの名所を
周れる大きさ。

10分でも歩けばこれでもかという位
美しい宮殿や美術館、協会、劇場が目に入ります。

そんな素敵な建築の中で
心を奪われたのが「ウィーン分離派館」です。
ゼセッシオン(secession)と呼ばれています。

滞在したホテル・ベートーヴェンから徒歩2分もかからない
すぐ近くにあり、贅沢にも毎日何度ももこの
魅力的な建物も前を通る事ができました。
そのたびに立ち止まって周囲をぐるりとまわりました。
この建物に飽きる事は一生ないでしょう!

ウィーン分離派はクリムトやその他の芸術家達によって
1887年に設立。
その自分達の為の展覧会場として立てられたのがこの
分離派館で1897年に出来たそうです。
(オットー・ワーグナーの弟子、オルブリヒ作)
 
普通のスーパーや市場があり
車も良く走るところにいきなり存在しています。
 
いきなり現れます・・・!
 
まず目をひくのが金色のメッキで加工させた
3000枚の月桂樹の葉で飾られたドームでしょうか。
今では「金色のキャベツ」というニックネームがあるとか。
 
私はキャベツもいいですが
正面の装飾が大好きです。
 
 
3人の怪しげな女性3人はギリシャ神話に登場する
有名な恐ろしい怪物「ゴルゴンの三姉妹」
(末娘のメデューサは有名ですね)
その下の文字は
「画家」「建築家」「彫刻」のような意味だとか。
 
中央の上にある文字の意味:
「時代にはその時代にふさわしい芸術を(与えよ)
芸術には芸術にふさわしい自由を(与えよ)」
 
 
正面左の文字の意味:
「ヴェル・サクレム(聖なる春)」は
分離派が発行した美術雑誌の名前だそう。
 
 
中央扉の左右には「トカゲ」が逆さまにはりついていたり
 
 
大きな植木鉢(笑)のような足元は
カメさんがヨチヨチを支えていたり・・・。
 
 
近くで見るとものすごい建物です。
この建物自体が「世紀末ウィーン」の象徴。
 
現在もこの建物は
ギャラリーとして使われています。

そして何が楽しみだったかというと
クリムト作「ベートーヴェン・フリーズ」の
壁画が地下で見れるのです!!
(※ フリーズ、という意味は「帯」とかそういう意味だそう)
帯のように長く連なった絵だからかな。
 
 

この絵画にも「ゴルゴンの三姉妹」が描かれています。

私はクリムトの作品でこれが一番好きです。

1902年にグループ展のためにクリムトが描いた大作。
ベートーヴェンの交響曲第9番をテーマとした
全長34メートルの壁画です。
なんと展示会が終わったら処分する予定だったとか!!
 
なが~いカード。
 
1903年に壁から引き剥がされ、
ボロボロの状態で放置されたのち
1973年にオーストリアの所有物に。
そして1986年に修復をして再びこの場所に戻されたという
歴史があるそうです。
今はこの作品だけの部屋(空間)になっていて
部屋を1周すると全部が見れるようになっています。
中央に椅子があるのでゆっくりと好きなだけ見れますが
天井に近い位置にあるので首が疲れます。
細かく見たい人はオペラグラスでも?

私はその空間い入ったとたんに
しばらく寒気がしたというかゾーっと鳥肌が立ちました。
ものすごく魂に訴えてくる絵巻物を見ているような感覚。
 
この作品は深い意味がこめられています。
ネットで検索すると詳しくわかります。
 
パンフレットの説明を
大雑把にまとめると
人類の幸福探しといった内容。
 
この絵には浮遊する精霊が何度も登場し
人類を導いています。
その途中で苦悩する人類
誘惑する怪物たち
人類を代表する騎士
人類を慰める竪琴を持つ女性
 
最後は第9の音楽のように
「楽園の天使たち」の合唱の前で
接吻する男女の姿。
 
「この接吻を全世界に」というメッセージは
第9の最後の合唱からの一節
シラーの「歓喜に寄す」までさかのぼるとか。
 
いや~すごい作品です。
そう思いませんか???
 
パンフレットのセンスもさすが
 
心からこの作品に出会えて嬉しかったです。
 
これからじっくりこの作品について
学んでみようと思います。
 
グッズのセンスもさすが!
 

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