2013/02/08

アンスネス&サロネン

 
 
ノルウェー出身のピアニスト
しかもベートーヴェンの協奏曲4番を弾くとあり
とても楽しみにしていたコンサートに行きました。

フィンランド出身ということで「北欧」同士。
サロネンも日本でも大人気の指揮者で作曲家としても
活躍しています。

初台にあるオペラ・シティホール「タケミツメモリアル」は
とても美しくて素敵なホールです。
狭目のステージに
フルオーケストラが着席すると隙間がない程。
客席もそのまま縦長に狭いので
どんな風に音が響くのか楽しみです。

登場した指揮者のサロネン、
写真で見るより若若しく爽やか。
拍手の盛り上がりでファンが多いのがわかりました。

1曲目はルトスワスキという作曲家の交響曲第4番。
初めて耳にする名前と曲。
(今年は生誕100周年だそうで世界各地で演奏が多いとか)
ダイナミックで切れ味よく、打楽器の数が多くて
(マリンバ3台!)とても楽しい演目でした。
初めて見るサロネンの指揮は実にかっこいい。
リズムがとてもクリアで間を取る動きや強弱など
演奏者をぐいぐい引っ張っていきます。

この1曲目から会場は既に大盛りあがりです。

2曲目、狭いステージにいよいよスタインウェイが中央に。
登場したアンスネス、映像で見慣れた姿とまったく同じ。
静かな佇まいの知的で優しそうな雰囲気。
ピアノのソロでスタートするこの曲。
会場には清々しい風が流れたよう。
彼の指先から音楽が流れているような。
ピアノも彼に弾いて貰って喜んでいるような。
「不純物ゼロ」の音楽、とでもいうのでしょうか。
だからといって軽いわけでもない。
ひたすら聴き惚れました。
 
眉間にしわを寄せてピアノに立ち向かう
ダイナミズムに溢れる往年の
ロシア巨匠ピアニスト達とは全く正反対。
 
サロネンの指揮はアンスネスのピアノに合わせつつも
強弱やスピードを瞬時にオケに指令して
まとまった作品に仕上げでいきました。
 
アンスネスとサロネン「爽やか北欧コンビ」
 
 
 
アンコールではベートーヴェンのソナタ22番の2楽章。
 
次回はソロ・リサイタルに行きたいです。
 
休憩をはさんで最後はベートーヴェン交響曲第7番。
ベートーヴェン交響曲の中で一番好き。
昨年ベルリンで2夜聴けたのもこの7番。
これだけ素晴らし演奏を聴かせてくれたサロネンとオケ。
7番への期待も高まります。
 
直球ストライク100%の演奏でした。
楽しかった!!
ラトル指揮ベルリン・フィルのが華麗なスライダーや
カーブやフォークなど変化球自由自在。
 
サロネンのは誰が見ても100%「ストライク!」の直球。
切れ味抜群。
彼の指揮を見てると「あ、ここは第一バイオリンなんだ」
「ここはチェロか」と「役割分担」がわかりやすく楽しいです。
大好きなティンパニーがあんまり目立たなくて見えなかった。
(音は聴こえてました)
 
最終楽章の後半でコントラバスが
ゴーゴー響くところが好きなのですが
(ベルリン・フィルでもかなり目立つように演奏していました)
サロネンもそこをしっかり出していて楽しめました。
この映像がちょうどコントラバスの響くところ。
 
 
アンコールはシベリウスの「悲しきワルツ」
初めて聴いた大変美しい旋律でした。
 
会場を出るとあちこちから
「素晴らしかった」「楽しかった」「かっこいいね」
かなりご年配の(70代過ぎ)おじさま達が
「こんなベートーヴェンも気持ちがいいものですね」と
話していました。
 
2月の日本はサロネン旋風♪
演奏会が終わった後の
ロビーで交わさせる会話を聞くのが好きです。
 
その後、一緒に行った友達とご飯。
頭の中から最終楽章の旋律が消えるのに
しばらく時間がかかりました。
 

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