2012/12/09

崇拝の香り




ムーミンの親友、スナフキンの言葉:

「だれかを崇拝しすぎると、
ほんとうの自由は、
得られないんだよ」

さすがスナフキン、いい事をいうな~と思います。

とか言って
私には崇拝してる人がいます。


このブログでも何度か登場しています。
こちら
本当に「崇拝」以外の言葉は見つからない程
彼の世界が憧れです。
ルタンスの作品を見る時の気分は
イコンを見るような感覚に近いかもしれません。
 
 
数十年ぶりに買い物の為に私は「走り」ました。
(もしかして生まれて初めてかもしれません)

ルタンスの香水でお気に入りの香りが
特別アトマイザーで限定発売。
それも「日本で」限定10本(!?)というのです。

唯一取り扱いのザ・ギンザに電話をしたら
「あと1本です」と言われ、貴重な休憩時間に走りました!

香りはfeminite du bois という
いつでも手に入る定番の香り。
私の目標は限定アトマイザー。
真っ黒な六角形のボトル。極めてシンプル。
 


 
これがルタンス信者にはたまらないデザインなのです。

20年以上も昔、ルタンス伝説のひとつが
「ノンブル・ノワール」」という香水でした。
私が資生堂に入社した時、この香りは既に
「製造中止」となり、お客様も先輩も争うように
在庫を買い占めていました。
学生時代からルタンスに憧れていた私も
1本なんとか購入する事ができ、大切に使っていました。
(本当は香水が欲しかったのですが
手に入らなく、オードトワレだったと思います)

それ程人気のあった香水がなぜ製造中止になったかというと
香料が手に入らなくなったからです。
天然の麝香が使われていました。
その頃、動物保護の為、取引が禁止となりました。
いま麝香とか、ムスクと呼ばれている香料は合成のものです。

麝香の入った香水と聞けば
濃厚でセクシーでまったりとしたイメージでしょうか。
しかしノンブル・ノワールはまったく別のもの。
パチュリという土のような香りもアクセント。

資生堂の技術があれば
人工の香料でノンブル・ノワールの再現は
できると思うのですが
きっとルタンスが許さないのでしょうね・・・。

そんなわけて「まぼろしの名香」といえば
このノンブル・ノワールを挙げる人が多いのです。

長くなりましたが
今回の限定品アトマイザーのデザインが
ノンブル・ノワールとリンクするのです。

「黒」はルタンスそのもの。
彼は黒以外の服は着ないそうです。
『黒は全ての色を集約した最高の色 by ルタンス』

とにかく残りの1本を手に入れ
完璧なボトルに見とれているのです。

当時の「ノンブル・ノワール」のヴィジュアル。
 

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