2012/11/22

万華鏡リサイタル


ベートーヴェン・ソナタ全集。
最近は毎日こればっかり♪
 

カヴァコスの来日公演は
NHKホールで行われた豪華なシベリウスの他に
ベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタの
演奏会もありました。
 
これぞカヴァコスの演奏の魅力を
存分に楽しめる贅沢な演奏会でした。
 
素晴らしい音響のコンサートホールで
たった400席程。
そこで約2時間もピアノとヴァイオリンだけ
しかもベートーヴェンです。
 
演目は1番、5番「スプリング」、9番「クロイツェル」。
ピアノは長年カヴァコスと共演している
名手のエンリコ・パーチェさん。
 
静まり返った会場に登場した二人は
背丈が同じ長身で歩くテンポも楽譜を開く動作も
面白い程似ていました。
あとで知ったのですがこのお二人は同い年。
てっきりパーチェさんの方がカヴァコスより10歳位
年上かと思いました・・・。
(どうでもいい事ですが)
 
緊張した沈黙を破るような大きな音で
始まりました。
とても明るい1番の出だし。
薄暗い会場から見るステージには
あっという間に色とりどりの景色や香りが
漂ってくるようでした。終始笑顔で聴ける音楽。
 
毎度の事ながらカヴァコスの音色は
どうしてあんなに澄んで美しいのでしょう。
そして音が大きい!でもうるさくない。
気品があって聴いてるこちら側はひたすら
幸せな至福の空間に身を任せるだけ。
 
3つのソナタはあっという間に終わりました。
会場はものすごい拍手です。
カヴァコスとパーチェさんもとても嬉しそうで
満足気に拍手に何度も応えてくれました。
 
アンコールも3曲。
ペトルーシュカが始まった時は
誰もが驚いた事でしょう!
ヴァイオリンとピアノだけで演奏してるとは
思えないカラフルで厚みのあるノリノリの演奏でした。
 
この日、この小さなホールで聴けた人達は
とてもラッキーだったのではないでしょうか。
是非また次回もここで演奏してくれたらな・・・と
願うばかりです。
 
パーチェさんのピアノがまた素晴らしかったです。
決して伴奏、ではありません。共演。
一人がヴァイオリンとピアノを同時に演奏してるような
一体化した演奏でした。
クロイツェル・ソナタでの迫力あるピアノも見事でした。
 
映像はどこかの教会での二人の演奏
クロイツェル・ソナタです。
教会なので音が反響していますが
素晴らしい演奏をお楽しみください。
(教会での演奏だなんて体験してみたいです)



今思い出しても
全身に伝わった音の振動が蘇ってきます。
 
万華鏡のようなリサイタルでした!!
 
(おまけ)
一緒に行った友達の感想:
 
一曲目(第1番)は夢中で聴いてた。
二曲目(第5番)は、子供の頃好きだった物とか
実家の庭の木だとかそんなものばかり思い浮かんでた。
三曲目(第9番クロイツェル・ソナタ)は
ずっとモノク ロの夏の風景ばかり考えてて不思議だった。
素敵な演奏は、イマジネーションを活発化させるのね。
そして、ペトルーシュカ!
嬉し過ぎて叫びそう だった。あぁまた聴きたい。

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